このホームページ でも 度々話題に上る 『 口 内 炎 』
病気と闘う猫ちゃん達 に とって、食事 が 出来なくなるの は 一大事 です。
幸い くーちゃん は 一度も経験 は ありません。でも、今後は・・・
飼主の皆さん。注意してあげてください。
猫とは・・・
ネコの歯周病とは・・・
「 予防 は 簡単。 歯 に 歯垢 を ためない事 」 とは言っても、
毎日歯磨きを行うなんてなかなか。。。。
獣医口腔衛生協会 (VOHC) に認可されているような
デンタルダイエットを日常の食餌として与えるというのが、最も実用的といえます。
FORL ( ネコの破歯性吸収病変 ) とは・・・
注) 歯周病がFORLの原因ではないことは解ってきています。
口 内 炎 とは・・・
口内炎の炎症を引き起こし、増悪させる因子には以下のようなものがあります。
歯周病の予防には・・・
すでに自分のネコに口臭がある場合には、
お口の中をよく観察してみる。
動物病院での治療・・・
A 歯肉以外にも炎症がある場合
その結果、基礎疾患が発見されれば、原因治療も含め治療計画を立てます。
特別な原因が見つからなかった場合には、免疫系の機能の問題が
原因と考えられますが、現在のところ、解明されていない疑問点も多く、免疫系を検査する方法もありません。
したがって、対症的・経験的治療に頼らざるを得なくなります。
治療方法とは・・・
NSAIDs = 非ステロイド性抗炎症剤
ラクトフェリン
レーザー蒸散
抜 歯
このような治療法を、全身麻酔をかけた上で、
標準的な歯周病治療を実施する際に口腔内を充分に評価した上、
組み合わせて実施して行くことになります。
最後に・・・
幸いにして、ネコは歯が無くても非常によく適応し、
複数の歯を抜歯することによって不幸なネコははるかに快適な生活ができるようになるのです。
さらに優れた治療法が開発され、
歯を温存した上で良好な結果が得られるようになるその日まで、
地道な口腔内治療を続けていくしかりません。
口臭をチェックし、
『 軽症のうちから口腔内のコンディションに注意を払い、
悪化を少しでも食い止める 』 ことを心掛けてあけましょう。
犬猫には 「 虫歯 」 が ほとんどありません。
イヌでは大量の歯石形成をともなう 「 歯周病 」 がほとんどです。
一方、ネコはイヌほど多くの歯石形成を見ませんが、それでも 「 歯周病 」 が最も多い口腔疾患で、
次に 「FORL と呼ばれる破歯性吸収病変 」 が、
そして、いよゆる 「 口内炎 」 が3番目に多い問題として報告されています。
ヒトでもイヌでも、そしてネコでも同じですが、
露出した歯冠に歯垢が蓄積することから生じます。
歯垢とその量がどんどん増えてくるにつれて、
歯周ポケットへと侵入しはじめ、そこにいる細菌の増殖を促し、
唾液中のミネラルを蓄積して歯石を形成します。
この状態が長期間放置されると、
細菌をやっつけようと集まってきた白血球の残骸から不都合な酵素や炎症伝達物質が漏れ出し、
結合組織や骨の組織が解けてきて、ポケットの拡大や歯茎の退縮が始まってしまうのです。
そして、徐々に歯がぐらつきはじめ、やがて抜け落ちてしまうという結果になるのです。
例えば、サイエンスダイエット猫用オーラルケア 、
プリスクリプションダイエット猫用t/d 、 フリスキー猫用デンタルダイエットなどです。
これらのフードでは歯磨きほどの効果は得られないかも知れませんが、
確実に歯石形成を抑制することが確かめられてます。
アメリカの最も多くの獣医さんが集まる学術大会で、
4歳以上の飼い猫の約50%に一箇所以上のFORLが発見されているとの報告がありました。
このFORLというのは、少し虫歯と似ているのですが、
歯の付け根の歯茎と接触している部分に吸着病変ができる。
つまり、歯が虫歯のように解けてくる病気なのです。
ヒトの虫歯が細菌の作る酸によってエナメル質が腐食する
のに対して、このFORLというのは、炎症を誘発するような伝達物質によって歯を壊す
破歯細胞が引き寄せられ、ネコ自身の細胞が歯を溶かしてしまうのです。
虫歯と同じような激烈な痛みがあり、ものを噛むということに大きな苦痛をともなうようになります。
・ なぜそんな事が起こるのか?
・ 他の動物にはなぜ起こらないのか?
・ 年々増加傾向にあるのはなぜか?
・ どうしたら予防できるのか?
など、解らない事だらけというのが現実なのです。
ヒトやイヌなどは、大半が歯周病を伴ってみられ「口内炎=歯肉」
なのですが、残念ながらネコは特別です。
ほっぺの内側、奥歯の後ろ、舌など、お口の中で起きない場所はありません。
そして、歯肉以外の口腔内炎症はとても重症なのです。
ネコの口内炎は多くの複雑な原因がからみあって
ひとつの臨床的な症候群を形成し、しかも、期待した治療成果の上がらない、ネコ自身にとっても、
飼い主にとっても、そして獣医師にとってもいらただしい病態であるといえます。
@歯周病
AFORL
BFeLV(猫白血病ウイルス感染症)およびFIV(猫エイズ)
C主要臓器の疾患
D免疫系の機能障害
特別な理由がなければ、デンタルダイエットを
日常の食事として与え、歯周病の予防に心がけるようにしましょう。
「 歯石の付着がある 」「 歯茎のふちが赤い 」
というような場合には、歯周病が疑われます。
もし、「 歯茎以外にも赤くなっているところがある 」
「 奥のほうにカリフラワーのような盛り上がりがある 」
「 ドライフードのようなものを噛むときにギャッと嫌がる 」 というような症状があれば、
口内炎が慢性に進行している可能性があります。
いずれにしても、動物病院での処置が必要と考えてください。
@ 歯肉にのみ炎症がありその炎症が
歯垢や歯石の付着状態と応分である場合
= 単純な歯周病が疑われます
スケアリングといって歯石を除去する処置をし、
その後デンタルダイエットに切り替えるだけで、良好に経過する場合がほとんどです。
= 標準的な歯周治療にうまく対応しないかもしれません
・FeLV ( 猫白血病ウイルス感染症 )
およびFIV ( 猫エイズ ) のチェック
・全身状態をチェックするための一般的な血液検査
ステロイド剤
強力な消炎作用で炎症や痛みを和らげる
初歩には特効的に奏功するが、徐々に効果が減弱し、
より多量な投与が必要になってくる。
※ 糖尿病の誘発、肝臓障害などの副作用が問題
鎮痛作用とステロイド剤ほどではないが、
抗炎症作用が期待できる。
※ 消化管潰瘍などの副作用に注意
穏やかな消炎作用を有し、免疫系を調整する作用も期待できる
激しい炎症によって形成される増生物
(カリフラワー状の盛り上がり)を蒸散させる。蒸散後の組織修復によって粘膜面の正常化が
期待できます。
炎症の部位や激しさによって、
全臼歯抜歯や全顎抜歯などの方法がとられます。
FORLや重度歯周病の増悪因子の唯一と言っても
良いコントロール方法です。
ネコの口腔内の問題は、まだまだ治療的な決定打を欠く、
非常にいらだたしい問題です。
単純な歯周病の場合には、治療法や予防法も確立され
充分なケアが可能ですが、ひとたび口腔内に炎症が拡がれば、一筋縄では行きません。
軽症のうちから口腔内のコンディションに注意を払い、悪化を少しでも食い止め、
重症になれば思い切って抜歯に踏み切る必要性があります。
動物病院で配布している 『 ドクターズアドバイス PEPPY 』(2003年秋冬号)より抜粋。